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1 はじめに
本記事は、WordPressプラグイン“W3 Total Cache”の設定指針を示すものです。
W3 Total Cacheには、多数の設定項目があります。
よくわからない項目があって、何を設定すべきか見当がつかない項目もありましたので、
調べた上で整理してみました。
W3 Total Cacheの設定項目は、全てを設定しなければならないわけではありません。
中には、無効のままで良い項目もあります。
本記事は、まず各項目の設定意味を理解することを第一として整理しました。
設定例を示しますが、みなさんそれぞれ運用状況が異なっていますので、
本記事で示す内容だけが正解ではないことをお断りしておきます。
なお、本記事は、小規模サイトにおける“W3 Total Cache”設定指針を示すものです。
大規模サイトにおける設定は、もっと深い視点での調査が必要です。
2 W3 Total Cacheの設定概要
2.1 W3 Total Cacheの設定画面
W3 Total Cacheの設定画面は、
WordPress管理ページ左サイドメニューの「パフォーマンス」から開くことができます。
2.2 小規模サイトにおける各キャッシュ機能の設定
表2.2-1に、 小規模サイトにおける各キャッシュ機能設定の要不要を簡単に整理してみました。
表2.2-1で示されていないキャッシュ機能は、 基本的にデフォルトのままで良いです。
「データベースキャッシュ」と「オブジェクトキャッシュ」については、
小規模サイトでは、有効にしても期待できるほどのパフォーマンスが上がらないことが
考えられます。
無効のままでも、充分良いパフォーマンス結果を得えることができると思っています。
3章以降に、各機能の設定詳細を示します。
2.3 キャッシュ方式
下に示すキャッシュ機能では、キャッシュ方式の選択子があります。
・ 縮小
・ データベースキャッシュ
・ オブジェクトキャッシュ
本節では、このキャッシュ方式について触れておきたいと思います。
WordPressが下に示す設定環境において、どれを選んだら良いのかキャッシュ方式が異なってきます。
1. 共有サーバー
2. VPS / 専用サーバー
3. 複数のサーバー
本節の内容は、下に示すページを要約したものです。
Choosing a Database Caching Method in W3 Total Cache | BOLDGRID
Configuring Object Caching Methods in W3 Total Cache | BOLDGRID
2.3.1 共有サーバーの場合
共有ホスティングプラットフォームでは、有効な選択肢は「ディスク」しかありません。
ディスクベースのキャッシュでは、オブジェクトは“wp-content/cache”内のフォルダに、
ファイルまたはファイルセットとして保存されます。
ディスクベースのオブジェクトキャッシュは、
変更頻度の低い少数のオブジェクトをキャッシュする場合を除き、
一般的には推奨されません。
2.3.2 VPS / 専用サーバーの場合
VPSや専用サーバーなどのホスティングプラットフォームでは、ディスクへのキャッシュだけでなく、
インメモリキャッシュソリューションを利用できます。
インメモリキャッシュは、ディスクベースのキャッシュに比べて、
システムメモリからのデータアクセスの方が読み書き速度がはるかに速く、
レイテンシも低いという利点があります。
- 【代替PHPキャッシュ(APC / APCu)】
-
APCとはAlternative PHP Cacheの略で、メモリ内のオペコードキャッシュと、
キャッシュされたアイテムを検索するためのキーバリューストアを提供します。PHP 7.xブランチではAPCがサポートされていないため、
最新のオペコードキャッシュメカニズムが主流となり、
APCはほぼ非推奨となっています。APCuはAPCに似ていますが、PHPの最新版をサポートするために
オペコードキャッシュ機能が削除され、インメモリのキーバリューストア機構のみを提供します。最新のオペコードキャッシュ機構と組み合わせることで、APCが元々提供していた機能を実現
できますが、キャッシュサイズを制限したい場合にのみ使用すべきです。 - 【eアクセラレーター】
-
eAcceleratorは、PHP 4.xおよび5.xのメジャーバージョンをサポートするインメモリ型の
オペコードキャッシュソリューションです。PHP 7.xブランチではeAcceleratorがサポートされていないため、
最新のオペコードキャッシュメカニズムが主流となり、現在では非推奨となっています。 - 【XCache】
-
XCacheは、PHP 5.6までをサポートする インメモリ型のオペコードキャッシュソリューションです。
PHP 7.xブランチではXCacheがサポートされていないため、
より新しいオペコードキャッシュメカニズムが主流となり、
XCacheの使用はほぼ非推奨となっています。 - 【WinCache(Windows環境での使用を推奨)】
-
WinCacheは、Microsoft IIS 用の拡張機能で、メモリ内のオペコードキャッシュ機能を提供します。
最新情報については、Microsoftの公式製品ページをご確認ください。
2.3.3 複数のサーバー
複数のホストを利用中の場合、
インメモリキャッシュを別のサーバーにオフロードすることができます。
- 【Memcached】
-
Memcachedは、データベースの負荷を軽減することで動的なWebアプリケーションの高速化を図る、
高性能な分散型メモリオブジェクトキャッシュシステムです。 - 【Redis】
-
Redisは、データベース、キャッシュ、メッセージブローカーとして使用できる
インメモリデータ構造ストアです。
2.4 Google PageSpeed Insights
サイトの表示速度は、次のツールを利用すれば確認することができます。
W3 Total Cacheの適用前と適用後で比較すれば、適用の効果を確認するこtができます。
3 ページキャッシュ
ページキャッシュとは、生成されたHTMLページのコピーをサーバーのメモリやディスクに保存し、
毎回一からページを生成する代わりに、そのコピーを以降の訪問者に提供する技術です。
これにより、トラフィックの多いウェブサイトや動的なコンテンツを含むウェブサイトにおいて、
大幅な速度向上が期待できます。
以下が、主なキャッシュ対象のページと設定項目です。
・ 静的生成されるすべてのページ
・すべてのRSS
・SSLリクエストされたページ
・検索結果などの動的ページ
・404エラーページ
・リファラーによる制御
・ログインしているユーザーに対するキャッシュ制御
・ユーザーロールに対するキャッシュ制御
3.1 Basic Settings
Basic Settingsにおいて、次のように設定します。
3.2 Advanced Settingおよび詳細設定
小規模サイトにおいては、基本的にはデフォルト設定のままで良いでしょう。
4 縮小
空白、コメント、改行などの不要な文字を削除することで、HTML、CSS、JavaScriptファイルの
サイズを縮小する手法です。
この処理により、ユーザーのブラウザがダウンロードする必要のあるデータ量が減るため、
Webページの読み込み時間を大幅に短縮することができます。
私は、現在WordPressテーマ“Cocoon”
を使用しています。
Cocoonにはこの「縮小」の機能がありますので、W3 Tatal Cacheのこの機能は利用していません。
4.1 Basic Setting
利用しているWordPressテーマに「縮小」の機能が無い場合、「縮小」は有効にした方が良いでしょう。
Basic Settingsにおいて、次のように設定します。
キャッシュ方法を縮小
4.2 Advanced Settingおよび詳細設定
小規模サイトにおいては、基本的にはデフォルト設定のままで良いでしょう。
5 オペコードキャッシュ
オペコードキャッシュは、コンパイル済みのPHPコードをキャッシュすることで、
WordPressウェブサイトのパフォーマンスを向上させる強力な機能です。
プリコンパイルされたコードをメモリ内に保存することで、
オペコードキャッシュはPHPファイルの繰り返しの解釈やコンパイルの必要性を排除し、
実行時間を大幅に短縮します。
オペコードキャッシュはサーバーの負荷を軽減し、レスポンス時間を改善することで、
最終的にWordPressサイト全体の速度と応答性を向上させます。
PHPのOPcacheアクセラレータ-がインストールされていない環境下では、
オペコードチャッシュの機能は利用できません。
OPcacheは、レンタルサーバーではインストールされているかと思いますが、
自宅サーバーではインストールされていない場合があります。
6 データベースキャッシュ
データベースキャッシュを有効にすると、
WordPressサイトのデータベースクエリのキャッシュ機能を活用できます。
頻繁にアクセスされるデータベースクエリをメモリに保存することで、
データベースキャッシュは繰り返しのデータベース操作を減らし、
ページの読み込み速度を向上させます。
この機能は、データベースの使用頻度が高いウェブサイトに特に効果的で、
全体的なパフォーマンスを改善し、よりスムーズなユーザー体験を提供します。
6.1 Basic Settings
本サイトのようにほとんどータベースを使用しないサイトでは、ほとんど効果はないと思います。
サーバーのメモリーの消費や、サーバーへの負荷が大きくなる場合もありますので、
データベースキャッシュは無効にしておいた方が良さそうです。
なお、データベースキャッシュを有効化する場合のデーターベースキャッシュ方式選択は、
2.3節を参考にしてください。
7 オブジェクトキャッシュ
オブジェクトキャッシュを有効にすると、オブジェクトキャッシュ機能を利用できるようになり、
WordPressサイトのパフォーマンスが大幅に向上します。
PHPで処理されるオブジェクトをメモリまたはディスクにキャッシュします。
これにより、動的コンテンツを生成するために必要な処理時間が最小限に抑えられ、
ページの読み込み時間が短縮され、サイト全体の速度が向上します。
オブジェクトキャッシュを有効にすることは、データベースの使用頻度が高いサイトや
トラフィック量の多いサイトにとって特に有益です。
7.1 Basic Settings
本サイトのようにほとんどータベースを使用しないサイトでは、ほとんど効果はないと思います。
サーバーのメモリーの消費や、サーバーへの負荷が大きくなる場合もありますので、
オブジェクトキャッシュは無効にしておいた方が良さそうです。
なお、オブジェクトキャッシュを有効化する場合のオブジェクトキャッシュ方式選択は、
2.3節を参考にしてください。
8 ブラウザーキャッシュ
ブラウザーキャッシュを有効にすると、訪問者のWebブラウザーは、画像、CSS、
JavaScriptファイルなど、WordPressサイトの静的ファイルを端末のローカルに保存するようになります。
これにより、次回以降サイトにアクセスした際には、ブラウザのストレージから
これらのキャッシュされたファイルが読み込まれるため、繰り返しダウンロードする必要が
なくなります。
私は、現在WordPressテーマ“Cocoon”
を使用しています。
Cocoonにはこの「ブラウザーキャシュ」の機能がありますので、W3 Tatal Cacheのこの機能は利用していません。
8.1 Basic Setting
利用しているWordPressテーマに「ブラウザーキャッシュ」の機能が無い場合、
「ブラウザーキャッシュ」は有効にします
Basic Settingsにおいて、次のように設定します。
8.2 Advanced Settingおよび詳細設定
小規模サイトにおいては、基本的にはデフォルト設定のままで良いでしょう。
9 CDN
本記事を読まれている方で
CDN
を利用している方は、ほとんどいらっしゃらないと思います。
CDNを利用していないのであれば、Basic Settingでは当然無効に設定します。
CDN(Content Delivery Network)とは、Webコンテンツのコピーを世界中のサーバーに
分散配置し、アクセスしてきたユーザーに最も近いサーバーから素早く配信する仕組みです。
ページの表示速度を劇的に向上させ、サーバー負荷を分散できます。
CDNを利用するには、CDNベンダーと契約する必要があります。
参考として、世界中で広く利用されている代表的なサービスを以下に示します。
世界トップシェアを誇り、高いセキュリティ機能も統合された人気のCDN。
Amazon CloudFront
AWSインフラとシームレスに連携できる信頼性の高いCDN。
Akamai
巨大な配信ネットワークと高度なカスタマイズ性を持つ老舗CDNプロバイダー。
以上
本記事の元となっているWordで作成したPDFを
ページ最後に貼り付けました。
少しでも役に立てていただければ、うれしく思います。
このPDFファイルは、自由に配布されてもかまいません。
ただし、再配布の際には、
入手元と著者名は明らかにしてください。
なお、上のPDFファイルの内容、また本文中の記述に、
誤字や脱字、誤った内容の記述など見つかりましたら、
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