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- Rev. 0.7 : 2023年10月04日
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1 はじめに
本記事は、”IPv4 over IPv6”接続”において、
IPv6のWordPressサイトを開設する手順を示すものです。
本記事は、CentOSなど
Red Hat Enterprise Linux(RHEL)系のLinuxディストリビューションを
基に記述しています。
他のディストリビューションでは、異なっていることがあるのかもしれません。
その場合は、お許しください。
IPv4 over IPv6接続にする以前、PPPoEの動的IPv4接続でDDNSサービスを利用して、
自宅サーバーを開設していた方も多かったのではないでしょうか?
IPv4 over IPv6接続が使えるようになってもう数年も経ちます。
今更のはなしとなりますが、
IPv4 over IPv6接続に変更したら、待ち受けポート番号が決まっているIPv4接続のサーバー類は
開設できなくなってしまうことはご存じのことでしょう。
IPv4接続の時のように自宅サーバーを続けるにはどうすれば良いかという問題の
一つの解決策として、サーバー類をIPv6接続に対応してしまうという方法があります。
本記事では、この方法を示します。
ちなみに、IPv4接続からIPv6 WordPressのサイトへはアクセスできません。
IPv4 over IPv6接続の端末やIPv6接続に対応している
スマホ、タブレットからならばIPv6 WordPressサイトを閲覧できます。
ですが、従来のPPPoE IPv4接続の端末からの閲覧はできない、ということです。
IPv4 over IPv6接続でのIPv6 WordPressサイトの開設は、 図1-1に示す手順で行います。
IPv6接続でのWebサーバーであるApacheやWordPressの設定は、
基本的にはIPv4接続の時と全く同じです。
したがって、ApacheやWordPressの設定については、
既知のことであるとして本記事では割愛します。
本記事のタイトルを「IPv4 over IPv6接続でIPv6のWordPressサイトを開設」としましたが、
実質の内容はIPv6接続のはなしがメインとなります。
2 サーバーのIPv6アドレスを決める
WordPressサイト設置の”サーバー”のアドレスは、固定である必要があります。
IPv6アドレス固定の場合もあれば、動的であっても決められたドメイン名を持つ場合があります。
① IPv6ダイナミックDNSサービスを利用する
② 自分でサーバーのIPv6アドレスを決める
そして、サイトのURL指定は、IPv6アドレスのままだと覚えきれない長い文字列となるので、
ドメイン名を取得すると良いでしょう。
2.1 IPv6ダイナミックDNSサービスを利用する
IPv6ダイナミックDNSサービスを利用すれば、
自宅ルーターのDHCPが割り振ったIPv6アドレスを、固定のIPv6アドレスかのように扱うことができます。
2023年10月現在、次のサービスが無料で利用できます。
OPEN IPv6 ダイナミック DNS for フレッツ・光ネクスト
他に、次の有料のサービスがあります。
NTT東日本 / DDNSサービス / IPv6ダイナミックDNS
利用方法については、次のページをご覧いただければと思います。
【IPv6サーバーをたてる】
無料のIPv6ダイナミックDNSサービス でWebサーバーをたてる
ダイナミックDNSサービス利用の場合、
NIC(Network Interface Card: ネットワークアダプター)のIPv6アドレス設定は、
デフォルトの「自動」のままでかまいません。
2.2 自分でサーバーのIPv6アドレスを決める
2.2.1 IPv6アドレスの決め方
サーバーに割り当てるIPv6アドレスは、
ISPから割り当てられたIPv6アドレスを基に決めます。
IPv4 over IPv6接続で、ISPから割り当てられるIPv6アドレスは半固定です。
ルーターの電源を切って入れての再投入を繰り返したからといって、そうそう変わることはありません。
2023年10月現在、固定IPv6アドレスとして扱って差し支えありません。
IPv6アドレスは、次のWebページを参考に適切に決めてください。
【IPv6サーバーをたてる】まずはじめにIPv6アドレスについて
【IPv6サーバーをたてる】IPv6アドレスの決め方
上のページの説明は、簡単に言ってしまえば、
ISPから割り当てられた図2.1-1に
示すフォーマットのIPv6アドレス下位64ビットを
自由に設定できるということです。
2.2.2 サーバーコンピューターへのIPv6アドレス設定
RHEL 9.0の場合のIPv6アドレス設定ウィンドウを 図2.2-2に示しておきます。
「アドレス」フィールドに128ビットのIPv6アドレスをそのまま入力するのではなく、
図2.2-1に示したフィールドを区切って入力するようですね
(スミマセン、きちんと試行と確認を行っていません)。
「アドレス」には自分で決めた64ビットの「インターフェース識別子」を、
「プレフィックス」にはISPから与えられた48ビットの「プレフィックス」を設定するのだと
思いますが、「ゲートウェイ」には何を?
他端末からリモートでのIPv6アドレス設定の方法については、本記事ではご容赦ください。
2.3 動的IPv6のIPv4 over IPv6であっても、ドメイン登録ができる
IPv4 over IPv6接続は、動的IPv6アドレス割り当てといっても、半固定割り当てです。
ルーターの再起動などでIPv6アドレスは変更されませんが、
NTT東/NTT西の作業都合によってIPv6アドレスの変更があるかもしれないとのことです。
滅多にIPv6アドレスが変更されないため、固定IPのようにドメイン名取得サービスに登録しても、
不都合なことはほとんど起こりません。
たまに、自分のところに割り当てられているIPv6アドレスを確認、
以前と違っていたらドメイン名登録サービスにIPv6アドレスを登録し直さなければならない
程度の不具合です。
IPv6の変更は、
他のネットワークからWordPressサイトが開けなくなってことで気付けるかと思います。
もっと、利口な方法があるかと思いますが。
ドメイン名登録料は、安い方で年間2千円前後です。
お金をかけたくないのであれば、
既に2.1項で示した
無料のIPv6ダイナミックDNSサービスを利用すると良いでしょう。
3 IPv6のファイアウォールを設定する
デフォルトでは、HTTP、HTTPSのポートは、閉じています。
これらのポートを開ける必要があります。
詳しくは、次のページをご覧ください。
【IPv6サーバーをたてる】
CentOS 8.X系(RHEL 8.X)で IPv6ファイアウォール、フィルタリング を設定する
4 IPv6 WordPressで利用できないプラグイン
IPv6接続WordPressでは、いくつか利用できないプラグインがあります。
次のページにまとめましたので、ご確認ください。
以上
HTMLだと、
思うように編集することは難しく、やろうすればとっても時間が掛かります。
ですので、本記事の元となっているWordで作成したPDFを
ページ最後に貼り付けました。
少しでも役に立てていただければ、うれしく思います。
このPDFファイルは、自由に配布されてもかまいません。
ただし、再配布の際には、
入手元と著者名は明らかにしてください。
なお、上のPDFファイルの内容、また本文中の記述に、
誤字や脱字、誤った内容の記述など見つかりましたら、
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